PRODUCTION NOTES

クランクインの番です ~初日からあの名やりとり!~

マンションからクルーズ船へ、そしてテレビからスクリーンへ舞台を移した『あなたの番です 劇場版』が待望のクランクインを迎えたのは、2020年12月10日。主演を務める手塚菜奈役の原田知世と手塚翔太役の田中圭も同日にスタジオ撮影から現場入りした。まず収められたのは、ウエディングパーティー後のシーン。自室に戻ってふたりきりになった菜奈と翔太が、イチャイチャのやりとりを展開するという場面。原田の芝居とウエディングドレス姿に、田中は「悩殺されました(笑)」。一方で駄々をこねる田中の芝居には、「かわいい! 子どもみたい(笑)」と佐久間紀佳監督。
初日を振り返って原田は、「最高でした。ふたりのシーンでドラマのあのときにパッと戻れたような気がして、距離感もフッと戻って。“あっ、翔太くんだ”って思ったし、自分の中にも菜奈ちゃんが帰ってきた感じがしましたね」。田中も「いよいよ始まったなと嬉しかったです。またこの作品にもう一度戻れたのは本当に嬉しかったですし、何よりも菜奈ちゃんが生きている世界は翔太が誰よりも望んでいるものだったと思うので、それは僕・田中圭としてもやっぱりすごく嬉しかったです」。
また、黒島沙和役の西野七瀬も同10日に、二階堂忍役の横浜流星も翌11日にスタジオ撮影からイン。西野は初日から難しい心情のシーンを見事演じ切って見せて、「現場の雰囲気も連ドラの撮影の続きみたいな感じで、何だか不思議な感じがしました。でもずっと楽しみだったので、嬉しかったです」。横浜は今回、連ドラでは入れ違いとなった原田と初日に初共演。「すごく新鮮な気持ちで撮影を迎えることができました。原田さんが僕の芝居をすごく懐深く受け止めてくださるので、これからの撮影も楽しみだなって思いました。今回はパラレルワールドという設定なので、いろいろ考えてドラマ版の二階堂よりも人間らしくやっていきたいと思います」とコメント。
新型コロナ対策を図りながらの現場で撮影はハードなものとなったが、現場に満ち満ちていたのは幸福感と充実感。『あなたの番です 劇場版』の“番”が始まった。

演出の番です ~連ドラがよみがえる?~

連ドラのメインキャストが再集結した今作。今回はパラレルワールドとなっているため、「生き返ってお会いできるのも嬉しいじゃないですか」と田宮淳一郎役の生瀬勝久。田宮君子役の長野里美も「いちからやり直すって面白いですよね」、赤池吾朗役の徳井優も「一度死んでますから、得した気がして(笑)」。浮田啓輔役の田中要次は「死んだあとにみんなに会ってるのかな!?みたいな(笑)」。また、床島比呂志役の竹中直人は役柄のトーンで「生き返ったんだよ。俺はゾンビだよ」と語ってくれた。
佐久間紀佳監督は連ドラのメイン演出を務めていて、それを踏まえながら今作を演出。「〇話のあのシーンの感じで」と現場に指示を出していく。住民会で13名のキャストが着席するシーンでは、「連ドラのときも動きがかぶって同じようにやり直したんです」と懐かしく思い出して苦笑する姿も。その住民会に参加した石崎洋子役の三倉佳奈は「シビれました(笑)」、北川澄香役の真飛聖は「同窓会みたいで幸せな時間でした」とコメント。
キャストそれぞれも連ドラで作られたキャラクターと雰囲気を楽しんでいたようで、外国人トリオ・シンイー役の金澤美穂が「個性的なおふたりに守られながら」と語ると、イクバル役のバルビーとクオン役の井阪郁巳は声を揃えて「守ります!」。江藤祐樹役の小池亮介は、「チームワークがあるのですごく楽しみです」。一方、赤池美里役の峯村リエは「久しぶりにいじめられて楽しかったです(笑)」。連ドラのあの名シーン、空気感、演出が果たしてどう盛り込まれているのかにも注目だ。

セット&ロケの番です ~豪華フェリーでロケを敢行!!~

交換殺人の舞台となった、マンション“キウンクエ蔵前”。今回の劇場版でもやはり物語の始まりの場所となっていて、外観は連ドラと同じロケ地、また住民会が開かれる地下会議室や手塚夫妻が入居した302号室はスタジオに同様のセットが組まれて撮影は行われた。
そして今回の舞台となる、クルーズ船“カッチャトーリ号”(キウンクエ=「誰でも」と同じくイタリア語で、カッチャトーリ=「狩人」の意味)。その撮影は各部屋とエレベーターホールをあわせた1フロアすべてをスタジオに建て込んで進められたほか、豪華フェリー“さんふらわあ号”の協力を得て計5日にわたるロケも敢行。榎本正志役の阪田マサノブは、「なかなかできない経験をさせてもらって」。赤池幸子役の大方斐紗子も、「非常に楽しかったです」。その中で蓬田蓮太郎役の前原滉は、場所は違っても連ドラも今回もひとりで誰かを見ているシーンから撮影入り。「何を見ているのか楽しみにしていてください(笑)」。
一方、細川朝男役の野間口徹は、「撮影しているあいだは平気なんですが(笑)」と酔いに苦労したようだが、木下あかね役の山田真歩は笑顔で「甲板でふたご座流星群を見てきたいと思います」。そう、奇しくもロケが行われた12月14日はふたご座流星群が極大を迎えた日。撮影中のキャスト・スタッフに思わぬプレゼントとなった。

新キャストの番です ~オリジナルキャストにも変化が!?~

連ドラを踏まえている一方、また新たな設定や味付けが随所に加えられているのも本作の見どころ。その中で新キャラクターとなるのが、門脇麦が演じる怪しげな謎の女・浦辺優と、酒向芳が演じる連ドラでは名前しか登場しなかった早川教授。門脇は「まさか自分が出演させていただけるとは思っていなかったので驚きでした」とコメント。また酒向は、「監督とプロデューサーから『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の博士のイメージと伺ったので、ワクワクしながら、役作りを模索しました」。ふたりがどう絡むのかも注目だ。
さらにパラレルワールドで前作から2年後が描かれるということで、連ドラからのキャラクターにも変化が? 柿沼あいり役の大友花恋と柿沼遼役の中尾暢樹は、揃って左手の薬指を誇示して、「結婚しました!」。また、児嶋俊明役の坪倉由幸が「なんか急に新しい3人組に(笑)」と語るとおり、今回は児嶋と袴田吉彦が演じる久住譲、片桐仁が演じる藤井淳史がトリオに!? 袴田が「違和感はなくて(笑)」と語れば、片桐も「久住まつりですから、ここは(笑)」。西村淳役の和田聰宏は、「2年経ってるという中でキャラクター性が若干変わっていて、演じていくうえで楽しみなところです」。
さらに、南雅和役の田中哲司は「今回変わった感じで出てくるので、見どころだと思います」。そして奈緒が演じる尾野幹葉は……。「尾野ちゃんなので、どこまでが本当なのかぜひ考察してください」と奈緒。一方、「いいふうに成長したんだなっていうふうに考えていただければ」と恐縮していたのが水城洋司役の皆川猿時。それというのもキャラクターは同じながら、自身の体重は連ドラ開始時の88kgから102kgに変化していたのだとか!

クランクアップの番です ~作品愛溢れるそれぞれのアップ!~

2020年12月10日から、約1か月半にわたって撮影が行われた今作。本編のクランクアップを迎えたのは、2021年1月21日。この前日の20日、スタジオ撮影最後となるキウンクエ蔵前のセットで、22名のキャストが順々にオールアップ。家族やパートナー役の共演者に見守られながらの撮了となって、木村と阪田の両親に挟まれて出番を終えた榎本総一役の荒木飛羽は、「楽しくて勉強にもなった現場でした」。西野との共演シーンで出番を終えた内山達生役の大内田悠平は、「今、この場所に居られて本当に幸せです」。大内田が監督から手渡された花束を見て、西野は「ひまわり!」と反応。連ドラで内山が黒島をじっと見守る印象的なひまわり畑シーンを思い起こさせスタッフ、西野の作品愛も垣間見えた。
その西野は田中から花束を受け取り、「前の撮影のときとはコロナ禍で状況が変わってしまって大変なところもありましたが、本当に最初から最後まであっという間で楽しく終わりました」とコメント。横浜もその後アップとなって、「皆さん明日もまた早いと思うので」と周囲を気遣って手短かに締めようとすると、田中から「嫌だ!もうちょっと欲しい!!(笑)」の声。「映画版ということですごい船で撮影をしたり、グリーンバックの中で撮影をしたりもしたので完成が楽しみです」と笑顔を見せた。
また、原田も同日にアップ。「皆さんと再会して、もう一回一緒に作れること、そして菜奈ちゃんとして翔太くんと一緒にもう一回別の人生を歩み直せる、生き直せるっていうのが本当に嬉しくて。“今日も一日無事に終わって良かった”っていうホッとする気持ちと、“また一日終わっちゃった”っていう両方の気持ちを抱えながら過ごした一カ月でした」。そして翌日の21日に田中、木村、竹中、神谷将人役の浅香航大がそれぞれロケ撮影で撮了へ。木村は「本当に早苗という役が大好きで、またこうしてやれたことに感謝しています」とコメント。浅香は「また神谷を演じられて本当に楽しかったです」と語った。
そして田中は、「本当にひとりでも多くの人が観てくれることを願っていますし、本当に楽しみにしてくれている人たちがいっぱい居ると思うので、残り素材撮影とあと仕上げと、いろいろ残ってると思いますが、また公開時期に僕も宣伝を頑張るので、皆さん最後まで一緒に頑張りましょう」と一同に挨拶。こうして完成を迎えた今作。果たして、観る人にどんな感慨を巻き起こすのか、観た人にどんなブームを巻き起こすのか。『あなたの番です 劇場版』へようこそ。次は、“あなたの“番”です。